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「ほととぎす」の漢字は15種類以上!全ての表記の由来まで解説!

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ホトトギスの漢字一覧! 由来まで紹介!

 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の性格を表す俳句として登場するホトトギスという鳥

 漢検1級の大問5の「熟字訓・当て字」にて出題される可能性のあるホトトギスは10種類ほどですが、漢検1級でも出題されないような漢字を使ったホトトギスを含めれば、なんと15種類以上にまで上ります。

 どの表し方もホトトギスの特徴や伝説が元となっていますが、起源を辿れば5種類に分類できます。

 それらの特徴や伝説についてを解説したうえで、15種類以上のホトトギスの漢字表記の由来について一覧にまとめました!

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めもの内容

ホトトギスってどんな鳥?

 ホトトギスというのは、以下のような鳥です。

ホトトギス(鳥)
(出典:Ron Knight from Seaford, East Sussex, United Kingdom, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

 漢字表記につながる特徴や逸話として、以下の5つがあります。

 1つ1つの項目についてと、それが由来のホトトギスの漢字について見てみましょう。

カッコウと似ている

 カッコウもホトトギスもカッコウ目カッコウ科に属する鳥で、日本に渡来する時期や托卵(他の鳥に自分の卵を育ててもらうこと)の習性まで同じです。

カッコウ
(出典:Tim Peukert, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 鳴き声や托卵相手、大きさや体色に違いはあるものの、よっぽど見慣れている人でないとその違いには気づきづらいのでしょう。

 ホトトギスがカッコウと似ていることに由来するホトトギスの漢字は、以下の2つです。

郭公、霍公鳥

口の中が真っ赤である

 ホトトギスの口の中は真っ赤という特徴があります。

 明治時代の歌人である正岡子規は、結核を患っており、自身が血を吐いて口の中が真っ赤になったことで、ペンネームを「子規」にしました。

正岡子規
(出典:See page for author, Public domain, via Wikimedia Commons)

 ホトトギスはもともと漢字で「子規」と書くことができ、この由来は中国からのもの

 正岡子規の本名は「常規つねのり」であり、一文字重ねて自分の病の様子をホトトギスに例えてしまう表現力には驚きです。

 口の中が赤いことに関連するホトトギスの漢字表記は、以下の1つです。

子規

田植えの時期に鳴き始める

 ホトトギスが日本に渡来するのは4~6月頃で、ちょうど田植えの時期と重なります

 ホトトギスの鳴き声で田植えの時期を知ることができたため、「時を知らせる鳥」ということで「時鳥」と表されるようになりました。

ホトトギスがカッコウと似ていることに由来するホトトギスの漢字は、以下の3つです。

時鳥、田鵑、卯月鳥

靴職人の逸話もある

 源俊頼が著した『俊頼髄脳』の中に、ホトトギスに関するこんなお話がありました。

 現在モズ(百舌、鴃)と呼ばれている鳥が、当時はホトトギスと呼ばれており、モズは靴(沓)職人であった。ある鳥が靴を注文したところ、モズが「4月頃に届けます」と言い、代金をもらって去っていった。
 約束の時期になっても靴が届かなかった鳥は、毎年4月頃になると「ホトトギスはどこだい?」と探し回るようになった。

 あくまで逸話なのですが、このことに由来するホトトギスの漢字表記が3種類ほどあります。

沓手鳥、沓乞、鶗鴂

蜀の君主の生まれ変わり

 古代中国の蜀の杜宇とうという君主がおり、農業を推進して蜀の治世に成功しました。

 彼は望帝杜宇と名乗り、その後も蜀の発展に貢献した後、側近に位を譲ります。

望帝杜宇
(出典:Kcx36, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 杜宇とうの死後、その霊魂が眠る山でホトトギスが鳴く姿を蜀の人が見て、「帝が蜀に帰りたがっている」や「帝が農業に励むよう指示している」などと伝えられるようになりました。

 この伝説にまつわるホトトギスの漢字は多く、7種類ほどあります。

不如帰、蜀魂、蜀魄、杜宇、杜鵑、帝魂、催帰

ホトトギスの漢字一覧

 漢検の辞典に載っているホトトギスと、そうでないマイナーなホトトギス、さらに鳥ではないホトトギスの漢字までリストアップしてみました。

漢検の漢字辞典に登場するホトトギス

 まずは、漢検協会が公式に出している『漢検漢字辞典[第二版]』に載っているホトトギスを10種類紹介します。

 由来については、主に5種類に分けられます。(ホトトギスってどんな鳥?を参照)

漢字由来・備考
郭公かっこう」とも読む。カッコウとホトトギスが似ていることから。
霍公鳥と音は同じ。「」は慌ただしく鳥が飛ぶ羽音を意味する漢字。
子規ホトトギスを意味する漢語より。
時鳥田植えの期を知らせてくれるであることから。
沓手鳥くつの作りだったもずが、昔はホトトギスと呼ばれたことから。
不如帰望帝杜宇の蜀へ帰りたい(るに)という思いから。
蜀魂望帝杜宇のへ帰りたいというが、ホトトギスに宿ったことから。
2014年度第2回の1級本試験にて出題された熟字訓。
蜀魄望帝杜宇のへ帰りたいというたましいが、ホトトギスに宿ったことから。
杜宇古代中国の蜀の第4代君主・望帝杜宇の魂がホトトギスに宿ったことから。
2016年度第1回の1級本試験にて出題された熟字訓
杜鵑杜宇の「」に、「ほととぎす」を合わせた熟字訓。

 これらの漢字は、当ブログ開発のアプリ「漢検1級徹底攻略~熟字訓・当て字~」にも収録されています。

漢検の漢字辞典では登場しないホトトギス

 こちらは、より情報量の多い漢字辞典である『新潮日本語漢字辞典』等に登場しているホトトギスです。

漢字由来・備考
田鵑植えの時期に鳴き始める「ほととぎす」の意味。
卯月鳥卯月(4月)頃に鳴き始めることから。
沓乞くつの作り手だったもずを、もう一度会いたいとう鳥の話から。
鶗鴂「テイケツ」とも読む。「」は鴃のこと。
帝魂古代中国の蜀の第4代君主・望杜宇のがホトトギスに宿ったことから。
催帰望帝杜宇が死後、蜀へりたいという気持ちをしたことから。

鳥ではないホトトギスもある

 実は、同じ「ほととぎす」という読みでも、鳥ではなく植物のホトトギスも存在します。

ホトトギス(植物)
(出典:Qwert1234, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 ユリ科の多年草であるホトトギスには、以下の3つの表記があります。

漢字由来・備考
郭公花花の斑点が、郭公ホトトギスの胸の模様と似ていることから。
杜鵑草花の斑点が、杜鵑ホトトギスの胸の模様と似ていることから。
油点草花の斑点が、油染みのように見えるから。

 由来のほとんどはホトトギス(鳥)と関連がありました

ホトトギス(植物)の花の斑点
(出典:Qwert1234, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

まとめ

 この記事では、『漢検漢字辞典[第二版]』や『新潮日本語漢字辞典』に掲載されているホトトギスについて解説しました。

 適当な漢字の組み合わせで作られたものではなく、それぞれのルーツを辿ればホトトギスの見た目や習性、逸話へと繋がっています。

 今回紹介した以外の漢字表記もまだまだ存在するようですが、まずは漢検の辞書に載っているホトトギスから覚えておきましょう。

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参考文献

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