「鯔」の「背」と書いて表される「鯔背」。
「鯔背」というのは、どういう様子を表す言葉なのでしょうか?
それぞれの漢字の意味も含めて解説します。
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めもの内容
《鯔背》とは粋な男性を示す言葉
広辞苑に載っている言葉の意味から見てみましょう。
《鯔背》
- 読み:鯔背
- 意味:粋で、勇み肌で、さっぱりしているさま。また、その容姿や、そういう気風の若者。
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
要するにイケてる男子のことです。
「猫背」のように直接背中のことを指す言葉ではないので注意してください。
《鯔背》の語源
それぞれの漢字を踏まえたうえで、「鯔背」の意味の由来を探ります。
【鯔(いな)】はボラの若魚
【鯔】
- 音読み:シ
- 訓読み:ぼら、いな
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
イナというのは、出世魚であるボラの若いときの呼び名であるため、結果的には同じ魚を指す漢字です。
黒い体が特徴的な魚です。
【鯔】はボラとイナの2通りの読み方がある!つくりの「甾」についても解説!
「魚へんに甾」と書いて表される「鯔」。漢検1級レベルのこの漢字は、「ぼら」と「いな」という2つの読み方を持っており、どちらも魚の名前となっています。2種類の魚の違いについて触れたうえ、つくりである「甾」の読みや意味についても解説します。
【背(せ)】は背中のこと
【背】
- 音読み:ハイ
- 訓読み:せ、せい、そむ(く)、うしろ
- 漢検級:5級(小学校6年生程度)
こちらは知っての通り、背中のことを指します。
《鯔背》の由来は江戸時代の髪型
江戸時代に、日本橋魚河岸という場所で、若者の間である髪型が流行りました。
その髪型は、黒い体をしている鯔の背中に銀杏の実をつけたような形をしていたことから、「鯔背銀杏」と名付けられています。
この髪型をしていた魚河岸の若者は粋な生き方をしていため、「鯔背銀杏」略して「鯔背」は粋で威勢の良い若者を指す言葉となりました。
「背」なのに髪型が由来で、人の性格や様子を表す言葉であることに驚きです。
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参考文献
- 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』p627 , 1224
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