【鯔】はボラとイナの2通りの読み方がある!つくりの「甾」についても解説!

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鯔

「魚へんに甾」と書いて表される「」。

 漢検1級レベルのこの漢字は、「ぼら」と「いな」という2つの読み方を持っており、どちらも魚の名前となっています。

 2種類の魚の違いについて触れたうえ、つくりである「」の読みや意味についても解説します。

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魚へんに甾で【鯔(ぼら)】

 鯔の読み方はこちら。

【鯔】
  • 音読み:シ
  • 訓読み:ぼらいな
  • 漢検級:1級(大学・一般レベル)

 「輜」や「緇」、「錙」などと共通していますが、音読みは「シ」です。
 ただし、音読みとして使われることはめったにありません。

 訓読みは「ぼら」と「いな」とありますが、実はボラは出世魚であり、ボラと呼ばれる前の段階をイナと言います。
 2種の魚を表しているように見え、実際は同じ魚を指しているということです。


(出典:the free media repository, via Wikimedia Commons)

 また、ボラの場合は「鯔」の他にも「」と表すことができます。

 関東においては、ボラは以下のように呼び方が変わります。

オボコ幼い様子を表す「おぼこい」が語源
イナッコイナよりさらに小さい。「鯔っ子」
スバシリ(鯐)水面をジャンプするように泳ぐ様子から(「州走」)
イナ(鯔)「鯔背(いなせ)」の語源。
ボラ(鯔、鰡)
トドボラが成熟しきった姿。「とどのつまり」の語源。

 ちなみに、高知県ではボラの最終形態はおおぼらと言います。
 漢字からも名前からもベテラン感が漂っていますよね。

「鯔」の字源?

 つくりである「甾」には、次のような読み方があります。

【甾】
  • 音読み:シ
  • 訓読み:かめ
  • 漢検級:✕(表外漢字)

 かめというのは、亀ではなく容器のかめです。

 訓読み自体は鯔とはあまり関係が無いような気がします。

 音読みのほうが字源としては濃厚で、鯔の表面が黒いことからくろい」と同じつくりが当てられたという説がありました。 


 同じ魚を指すと言えど、イナとボラが同じ漢字って分かりづらいですね。

 イナは鯔、ボラは鰡で使い分ければいいのに‥‥と思ってしまいます。

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参考文献
  • 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』p627

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