「魚へんに甬」で表される「鯒」。
「魚へんに伏」で表される「鮲」。
どちらの漢字も漢検1級レベルであり、国字(日本で作られた漢字)の一種です。
共通する読み方は「こち」で、コチ科の海魚を表しますが、どんな魚なのでしょうか?
魚に関する解説を簡単にしつつ、どのようにしてこれらの漢字が生まれたのかを探ってみましょう!
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めもの内容
魚へんに甬・伏で【鯒・鮲(こち)】
2つの漢字の読みと意味はこちら。
【鯒】
- 音読み:×
- 訓読み:こち
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
- 意味①:こち。コチ科の海魚。
【鮲】
- 音読み:×
- 訓読み:こち、まて
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
- 意味①:こち。コチ科の海魚。
- 意味②:まて。マテガイ科の二枚貝。
共通する読みである「こち」というのは、こんな魚です。
その代表格であるマゴチは、全長約50cmの上下に押しつぶされた筒のような体つきです。
砂底を好み、南日本の暖海で見ることができます。
体が牛の尻尾に似ていることから、「牛尾魚」と書き表すこともでき、漢検1級では必須レベルの熟字訓となっています。
「鯒」の成り立ち
漢字を分解すると、魚+甬。
「甬」が使われた理由は、コチの体が押しつぶされた筒に似ていたからで、「筩」という漢字からきています。
【筩】
- 音読み:トウ
- 訓読み:×
- 漢検級:対象外(JIS第4水準)
- 意味:筒状のもの。竹筒。
「甬」自体も漢字ですが、肝心の筒の意味はありません。
【甬】
- 音読み:ヨウ
- 訓読み:×
- 漢検級:対象外(JIS第2水準)
- 意味:両側に壁などの目隠しを設けた道。
どちらの漢字も漢検1級の対象漢字ではないので、ご安心を。
「鮲」の成り立ち
鮲を分解すると、魚+伏。
こちらは、海底に伏せるコチの習性が由来となっています。
「鮲」のほうがコチの生態に適した成り立ちのように思えますね。
水族館で「あれ?どこにいる?」的な魚の一種ですね。
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参考文献
- 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』p529
- 新村出編(2018)『広辞苑 第七版』,岩波書店,p1069
- 新潮社編(2007)『新潮日本語漢字辞典』,新潮社,p2501,2500,1486
- 藤堂明保他(2019)『漢字源 改訂第六版』, 学研プラス,p2139,2138,
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