【癜】「やまいだれに殿」の読み方は?漢字の成り立ちまで解説!

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癜

 「やまいだれに殿」で表される「」。

 漢検1級レベルのこの漢字は、皮膚病の一種を表します。

 「癜風でんぷう」ではなく、1文字で何と読むか知っていますか? 

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やまいだれに殿で【癜(なまず)】

 癜の読み方と意味はこちら。

【癜】
  • 音読み:テン、デン
  • 訓読み:なまず
  • 漢検級:1級(大学・一般レベル)
  • 意味①:なまず。皮膚病の一種。

 なまず(別名:癜風でんぷう)というのは、次のような皮膚病です。

 癜風(でんぷう)とは、表皮(皮膚の最も外側の層)に発生する真菌感染症で、鱗屑(りんせつ)を伴う変色した斑が出現します。

MSDマニュアル家庭版より

 実際の皮膚に現れる症状と、原因となるマラセチア属の癜風菌は、以下のようなものになります。

癜風の症状と癜風菌
癜風の症状(左)と癜風菌(右)
(出典:Ran Yuping et al., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 魚の鱗のような斑点が皮膚に現れる感染症です。

 ただし、人から人への感染は無いと考えられ、保菌していても症状が出ない人も多く、発症しても健康な人が多いようです。

「癜」の字源 

 「癜」は、病気を意味する「」と「デン」を読みに持つ「殿」を組み合わせた形声文字です。

※意味を表す部分と、音を表す部分を組み合わせて作った漢字のこと。

  そのため、「殿」には癜風関係の意味はなく、「デン」を音読みに持つ漢字として選ばれたのが偶然「殿」だったというだけの話。

 「癜」は音読みが簡単な分、漢検では訓読みの「なまず」が読み書きで狙われるので覚えておきましょう。


 同じく漢検1級で出てくる「なまず」もチェックしておきましょう。

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参考文献
  • 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』p1119
  • 新村出編(2018)『広辞苑 第七版』,岩波書店,p2186
  • 新潮社編(2007)『新潮日本語漢字辞典』,新潮社,p1521
  • 藤堂明保他(2019)『漢字源 改訂第六版』, 学研プラス,p1265

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