「木へんに門」と書いて表される「椚」。
漢検1級レベルのこの漢字は、国字(日本で作られた漢字)の一つです。
カブトムシが樹液を求めて集まりますが、何の木を表すか知っていますか?
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めもの内容
木へんに門で【椚(くぬぎ)】
椚の読み方はこちら。
【椚】
- 音読み:×
- 訓読み:くぬぎ
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
日本で作られた漢字のため、音読みはありません。
椚はブナ科の高木で、雑木林を構成する代表的な植物です。
カブトムシやクワガタが樹液を求めて集まる木としても知られ、割と馴染みの深い植物と言えるでしょう。
「椚」の字源
そもそもクヌギという名の由来には諸説あり、代表的なものとしては、
- 薪として使われるほど国中どこにでもあることから「国木(くにき)」
- どんぐりを落とし、それが食べられることから「食之木(くのき)」
- 葉がクリの木の葉に似ていることから「栗似木(くりにき)」
の3つで、いずれもそれらが訛ってクヌギになったとされています。
漢字としての由来は2番目の「くのき」から来ていて、門は家の内外を表すものであるため、家の内外を区分けするための木(区の木)として「椚」が当てられました。
実際に門のところに椚が生えていたことに由来するわけではなく、音で選んだということになります。
クヌギを表す漢字はいろいろある
今回は国字の「椚」を紹介しましたが、「くぬぎ」と読む漢字は他にもいろいろあります。
【橡】
- 音読み:ショウ、ゾウ
- 訓読み:とち、くぬぎ、つるばみ
- 漢検級:準1級(大学・一般レベル)
「つるばみ」はクヌギやどんぐりの古名です。
【櫟】
- 音読み:レキ、ロウ
- 訓読み:くぬぎ、いちい、こす(る)
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
「いちい」は椚とは別の高木を表します。
【櫪】
- 音読み:レキ
- 訓読み:くぬぎ、かいばおけ、うまや
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
「かいばおけ」は別記で「飼葉桶」。植物とは関係ありません。
【栩】
- 音読み:ク
- 訓読み:くぬぎ
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
「栩栩然」(自由で愉快なさま)で使われる漢字です。
国字でクヌギと言われたら椚だけなので、「椚」を優先的に覚えておきましょう。
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参考文献
- 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』p378,763 , 369 , 1601
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