漢字の読みを無視して、漢字の意味をつなげてできた熟字訓。
漢字の意味を無視して、漢字の読みをつなげてできた当て字。
どちらも知らないと読めないものが多く、受験に向けた中高生や漢検学習者を困らせています。
特に、漢検1級では大問5で熟字訓・当て字だけで10題出題されるため、ある程度の知識量は備えておきたいところ。
この記事では、非常に紛らわしい「蛄」を含む熟字訓・当て字を3個解説します。
本番で出てきたときに迷わないよう、「蛄」シリーズを一気に覚えてしまいましょう!
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日本漢字能力検定協会が出している『漢検 漢字辞典 [第二版]』の巻末資料「熟字訓・当て字索引」によれば、「蛄」という漢字を含む熟字訓・当て字は3種もあります。
まずは一覧表をお示しします。
※太字になっている熟字訓・当て字は、過去の漢検1級本試験にて出題されたものです。
漢字※ | 読み | 解説(広辞苑や漢検漢字辞典より) |
蝦蛄 | しゃこ | シャコ科の甲殻類。形はエビに似る。 |
蝲蛄 | ざりがに | ザリガニ科のエビの一種。日本特産。北海道や東北の川や沼にすむ。和名は「いざりがに」の略で後ずさりするように動くことから。 |
螻蛄 | けら | ケラ科の昆虫。 |
そもそも、「蛄」は以下のような意味を持つ漢字です。
- 音読み:コ
- 訓読み:×
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
- 意味①:からだのかたい虫のこと。
熟字訓以外で使われている漢字としては、以下の2種。
- 蟪蛄‥‥ニイニイゼミのこと。
- 蛄䗐‥‥コクゾウムシのこと。
ニイニイゼミとコクゾウムシの画像(閲覧注意)
この2種に関しては、そこまで体が固い特徴を有していません。
シャコ(蝦蛄)
シャコ科の甲殻類の総称。
エビ類に似ていて、寿司のネタにもなっています。
上から2つ目の両脚は、カマキリのような捕脚となっており、それで他の生物を捕まえる肉食動物です。
「蝦」はエビを表し、「蛄」はからだが固い虫(甲殻類)を表すため、まさにシャコの生態通りの漢字となっています。
ザリガニ(蝲蛄)
カニにようなハサミ脚を持っていて、後ずさりする(いざる)ような動きをすることから、「いざりがに」転じて「ざりがに」と呼ばれています。
漢字としては、蝲のような大きなハサミを持っている固い体を持っている虫(蛄)ということに由来しているものと思われます。
ケラ(螻蛄)
バッタ目ケラ科の昆虫で、日本では「おけら」と呼ばれることが多いです。
稲の害虫として知られています。
螻蛄の画像(閲覧注意)
穴を掘るための前足が 2つの節でできており、頑丈です。
その身体の特徴が「螻(節が連なっている虫)」と「蛄(からだが固い、頑丈な虫)」に合っているように思えます。
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再リリースの準備が整い次第、このサイト上でお知らせします。
- 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』
- 新村出編(2018)『広辞苑 第七版』,岩波書店
- 新潮社編(2007)『新潮日本語漢字辞典』,新潮社
- 藤堂明保他(2019)『漢字源 改訂第六版』, 学研プラス
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