【鯒・鮲】「魚へんに甬・伏」の読み方は?漢字の意味や成り立ちまで解説!

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鯒鮲

 「魚へんに甬」で表される「」。
 「魚へんに伏」で表される「」。

 どちらの漢字も漢検1級レベルであり、国字(日本で作られた漢字)の一種です。

 共通する読み方は「こち」で、コチ科の海魚を表しますが、どんな魚なのでしょうか?

 魚に関する解説を簡単にしつつ、どのようにしてこれらの漢字が生まれたのかを探ってみましょう!

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魚へんに甬・伏で【鯒・鮲(こち)】 

 2つの漢字の読みと意味はこちら。

【鯒】
  • 音読み:×
  • 訓読み:こち
  • 漢検級:1級(大学・一般レベル)
  • 意味①:こち。コチ科の海魚。
【鮲】
  • 音読み:×
  • 訓読み:こち、まて
  • 漢検級:1級(大学・一般レベル)
  • 意味①:こち。コチ科の海魚。
  • 意味②:まて。マテガイ科の二枚貝。

 共通する読みである「こち」というのは、こんな魚です。

コチ科の大型種
(出典:Jacek Madejski, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 その代表格であるマゴチは、全長約50cmの上下に押しつぶされた筒のような体つきです。

 砂底を好み、南日本の暖海で見ることができます。

 体が牛の尻尾に似ていることから、「牛尾魚」と書き表すこともでき、漢検1級では必須レベルの熟字訓となっています。

「鯒」の成り立ち

 漢字を分解すると、魚+甬

 「甬」が使われた理由は、コチの体が押しつぶされた筒に似ていたからで、「筩」という漢字からきています。

【筩】
  • 音読み:トウ
  • 訓読み:×
  • 漢検級:対象外(JIS第4水準)
  • 意味:筒状のもの。竹筒。

 「甬」自体も漢字ですが、肝心の筒の意味はありません。

【甬】
  • 音読み:ヨウ
  • 訓読み:×
  • 漢検級:対象外(JIS第2水準)
  • 意味:両側に壁などの目隠しを設けた道。

 どちらの漢字も漢検1級の対象漢字ではないので、ご安心を。

「鮲」の成り立ち

 鮲を分解すると、魚+伏

 こちらは、海底に伏せるコチの習性が由来となっています。

海底に伏せるマゴチ
(出典:Izuzuki, CC BY 2.5, via Wikimedia Commons)

 「鮲」のほうがコチの生態に適した成り立ちのように思えますね。


 水族館で「あれ?どこにいる?」的な魚の一種ですね。

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参考文献
  • 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』p529
  • 新村出編(2018)『広辞苑 第七版』,岩波書店,p1069
  • 新潮社編(2007)『新潮日本語漢字辞典』,新潮社,p2501,2500,1486
  • 藤堂明保他(2019)『漢字源 改訂第六版』, 学研プラス,p2139,2138,

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