弓の下に横棒を一本加えた「弖」。
漢検1級レベルの漢字であり、国字(日本で作られた漢字)の一つです。
「弖爾乎波」、「阿弖流為」は何の当て字が知っていますか?
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めもの内容
弓に一で【弖(て)】
弖の読み方はこちら
【弖】
- 音読み:×
- 訓読み:て
- 漢検級:1級(大学・一般レベル)
この「て」は接続助詞であり、使い方としては以下のようになります。
- 冬が終わっ弖、春が来た。
- もう一度受験し弖みたい。
当然ながら現在の日本で、助詞の「て」を「弖」と書く人はおらず、実際は一部の熟語で使われるだけに留まっています。
「弖」を含む熟語のうち、有名なのは以下の二つ。
- 弖爾乎波(てにをは)‥‥助詞の総称。
- 阿弖流為(アテルイ)‥‥坂上田村麻呂に討伐された東北の蝦夷の長。
漢検に向けては、弖爾乎波だけをしっかり抑えておきましょう。
「弖」の字源
国字ゆえに日本人が何らかの意図を持って作ったはずですが、定かなことはわかっていません。
助詞「て」の当て字を考えた際に「氐※」を当て、その字が変化してできたという説が存在しています。
※「氐」はJIS第3水準の漢字であるため、漢検には出題されません。
ただ、高句麗の好太王(374-412)の碑文の中に「弖」が登場しているため、そもそも国字ではないという意見も上がっています。
国字でないと認められたら、漢検1級の大問2の19,20からは出題されず、書き問題として「弖爾乎波」すべて書かされそうです。
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参考文献
- 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』p1087
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