漢検1級の難読漢字「佚」。
この漢字は「失う」「逃れる」「楽しむ」など、多様な意味を持つ奥深い文字です。
この記事では、「佚」の読み方や意味、成り立ちから、漢検での出題例まで詳しく解説します。
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「佚」の読み方・熟語・成り立ち
「佚」の読み方
- 音読み:イツ、テツ
- 訓読み:うしな(う)、たの(しむ)、のが(れる)、たが(いに)
- 漢検級:1級
- 部首:人部
- 部首の画数:2画
- 総画数:7画
「佚」の意味
- うしなう、やりそこなう
- のがれる、かくれる
- たのしむ、あそぶ、やすんずる
- うつくしい、なまめかしい
- ゆるい、じゆうな
- たがいに、かわるがわる
「佚」を含む熟語
- 佚書(いっしょ):書名のみが伝わり、実物は失われてしまって現存しない書物。
- 散佚(さんいつ):散逸すること、ばらばらになって失われること
- 安佚(あんいつ):安楽で心配のないさま
- 佚楽(いつらく):気のむくままに遊び楽しむこと
- 佚女(いつじょ):美人
「佚」の成り立ち
「佚」は形声文字です。
意味を表す「人(にんべん)」と、音を表す「失」で構成されています。
「失(シツ)」はするりと抜けるという意味。
「人」と合わせて、俗世から抜け出た民のことを表すようになりました。
「佚」は「逸」の異体字としても使われることが多く、「逃れる」「のがれる」という意味も持ちます。
ただし、完全に同一というわけではなく、使用される文脈や熟語によって使い分けられることもあります。
「佚」の漢検での出題例
漢検1級では、「佚」が以下のように出題されました。
分野 | 問題 | 解答 | 意味 | 出典 |
故事 | 【イツ】を以て労を待つ。 | 佚、逸 | 十分に休息して英気を養い、遠方から攻めてくる疲れきった敵を迎え討つという意味 | 漢検1級2017年度第3回 |
読み | 「安佚」遊冶な生活を送る。 | あんいつ | 気楽にのんびりと楽しむこと。何もしないで遊び暮らすこと。 | 『漢検分野別精選演習』 |
また、「佚」を使った漢検1級配当の四字熟語として、以下のものがあります。
四字熟語 | 解答 | 意味 | 出典 |
(トウイツ)簡易 | 蕩佚 | のんびりして自由なこと。寛大で優しいこと | 『四字熟語辞典』 |
奢侈(インイツ) | 淫佚 | 度を超して贅沢をし、不道徳な楽しみにふけること | 『四字熟語辞典』 |
まとめ
漢検1級に出題される「佚」は、「失う」「楽しむ」「逃れる」など多様な意味を持つ奥深い漢字です。
その成り立ちや熟語を理解することで、古文や漢文の読解力向上にもつながりますので、ぜひこの「佚」の知識を活用してください。
このような日常生活ではなかなか目にしない漢字を効率的に学習するには、体系的な学習方法が欠かせません。
漢検1級を目指す方には、専門的な学習アプリの利用をおすすめします。
例文や解説、効果的な復習機能を備えたアプリを活用することで、着実に知識を積み重ねていくことができるでしょう。
ぜひ、漢字学習に活用し、漢検1級合格を勝ち取ってください。
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- 日本漢字能力検定協会(2015)『漢検 漢字辞典[第2版]』p56
- 新潮社編(2007)『新潮日本語漢字辞典』,新潮社,p129
- 藤堂明保他(2019)『漢字源 改訂第六版』, 学研プラス,p83
- 日本漢字能力検定協会(2018)『漢検1/準1級過去問題集 平成30年度版』, p40
- 日本漢字能力検定協会(2017)『漢検 四字熟語辞典』, p242,356
- 日本漢字能力検定協会(2014)『漢検1級分野別精選演習』,p18
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